本州最西端のボートレース場となる「下関競艇場」。
中国地区では唯一のナイター水面であり、2021年秋にはミッドナイトボートレースが全国で初めて開催された地でもあります。
インコースの勝率は、同じ山口の「徳山競艇場」と並んで全国トップクラス。しかし、季節によってコースの有利不利が変化するため、勝負する時期に合わせた予想が攻略のカギとなるでしょう。
そして、イン強の場で試されるのは回収率。少ない点数で的中させるのはもちろんのこと、オッズ面など期待値の高いレース選びが重要です。
そのために必要な情報を全て解説していくので、コツを掴んでから挑むようにしてください。
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下関競艇場の特徴
住所 | 山口県下関市長府松小田東町1-1 |
電話番号 | 083-246-1161 |
水質 | 海水 |
開催時間 | ナイター |
チルト角度 | -0.5/0/+0.5/+1.0/+1.5/+2.0/+3.0 |
モーター交換 | 3月頃 |
うねり | あり |
水位変化 | あり |
山口県下関市の南部にあり、水面が周防灘に接している下関競艇場。
少し南へ行けば九州の玄関口「門司市」につながる関門海峡が見えてきます。新幹線の新下関駅からは在来線で1駅。市の中心部との距離もそれほど離れていません。
水面があるのは長府扇町工業団地の一角。JR長府駅に隣接しており、近くには住宅設備機器メーカー「長府ボイラ」の本社もあります。
潮の影響は満潮時のうねりのみ
下関競艇の競走水面は少し奥まった場所にあり、大部分は海に開けておらず形状はほぼプール型。
関門海峡付近は潮の流れが速くなりやすい場所。しかし、水面への影響については少ないと考えて問題ないですが、気をつけたいのは「大潮」または「中潮」となった日の満潮時。
流れ込みがある1マークから引き波が影響する2マークまで、水面全体に不安定さが出る可能性はゼロではありません。
オフィシャルサイトに潮汐表は公開されていないので、潮の影響はそこまでないと推測できます。ただ、満潮時付近の時間帯のみ、影響の度合いを「周回展示」で確認することをおすすめします。
助走が十分に取れるコースレイアウト
下関競艇の大きな特徴でもある「2マーク側の広さ」。
この後の「予想攻略のコツ」でも触れますが、ピットから2マークまでの距離は170m以上もあります。
極端な前付けによってコース取りが激しくならない限り、インの進入が深くなりにくい点も「イン逃げ成功率の高さ」に関係しているといわれています。
とはいえ、スタートラインからピットまでの距離は320mもあるので、チルトを跳ねて大外から一発を狙うレーサーにとっても攻めやすい水面。その為、まくり屋などが出走するレースは注意が必要です。
スタートを惑わせる「左右からの横風」
下関競艇場は、夏が南からの向かい風、冬が北からの追い風が主体。そして、風の向きや強さもランダムになることが多い傾向です。
過去のデータを見ても季節どころか1日単位、場合によっては時間単位で変わることも。
さらに、追い風・向かい風だけでなく、左右の横風もよく吹いてきます。北東から南西に向かってスタートを切るので、そうした位置関係も予想を難しくしているのでしょう。
メインスタンド以外に防風の役割を果たすものがなく、強風が吹き荒れる立地。こまめな風チェックは予想するうえで欠かせない情報となります。
下関競艇場のコース別入着率
下関は「イン有利」な水面ですが、1年を通して1コースが鉄板とならないのもまた事実。よって、イン逃げが決まらなくなる季節のデータは頭に入れておくべき。
下関競艇の1コース1着率は通年で61%。注目したいのは、春から夏にかけて数字が急落するポイント。
理由として考えられるのは、南からの向かい風、梅雨時の荒れやすい水面状況など。イン戦の信頼度がいつ頃から崩れ始めるか?その判断も予想において重要なデータといえます。
夏の2コースは、外の3コースに飲まれやすくなり2連対率が低下。しかし、3コースの躍進は夏のみとなり、秋には1コースの1着率が再び上昇しています。
季節によって2コースから外の絡み具合が複雑になっているため、春夏秋冬の単位で予想スタイルを柔軟に変えることも必要となりそうです。
この点については次の「予想攻略のコツ」でも詳しく触れたいと思います。
下関競艇場 予想攻略のコツ
イン逃げ勝率は全国トップクラスの水面ですが、的中率をより上げたいなら「攻略のコツ」を理解しておくこと。
下関で年間回収率150%を維持している実績をもとに、予想する際に注意している5つのポイントを解説します。
季節ごとに変わる傾向の把握
先ほどの「コース別入着率」で解説した通り、下関競艇場の予想は季節単位で変えていく必要があります。
イン逃げ成功率が大きく落ち込むのは夏だけですが、2コースから外の力関係は一定ではありません。以下は、季節別に水面傾向をまとめたものです。
季節 | 水面の傾向 |
---|---|
春 | イン戦が最も堅い季節となり相手も順当にスロー勢中心。4カドからのまくり攻めは苦戦 |
夏 | 気温の上昇でイン逃げ成功率が急落。代わって3~4コースからのまくり攻めが躍進 |
秋 | 1コースの1着率が回復。イン戦を阻む1番手は4コースとなるが2着争いは混戦模様に |
冬 | 秋に続いてイン逃げが安定。差し、まくり差しが入りやすく5コースまで圏内に入ってくる |
ご覧の通り、季節ごとに1マークの展開が変わりやすいのは押さえておきたいポイント。
相手候補の絞り込みも、季節の変化に合わせて考えることが求められます。ムダな買い目を増やさないよう、それぞれの傾向をしっかり覚えておきましょう。
あらゆる方向から吹く風読みも重要
下関競艇場で難しいのは風の読み。
シンプルな追い風、向かい風だけでない点が予想を悩ませます。特に、全体の2割近い確率で吹いてくる「左右からの横風」をどう捉えるのか?その読みこそ、舟券的中のカギになるかもしれません。
- 右からの横風
-
「差し」が決まりやすく、2コースにメリットが生まれる。
- 左からの横風
-
マイシロを取った「まくり差し」向きの水面となって3コース有利に働く
ただし、南風がスタンドにぶつかって風向きを変えたり、北風がスタンドを巻き込んで水面上に風を舞わせたりするケースも考えられます。
この影響によってフライングが起きやすくなるともいわれており、風速によってはスリットの乱れも頭に入れておかねばなりません。
展示のスタートタイミングは必ずチェックしてください。大きく凹んだりしている場合は、過度な期待をしない方が無難です。
ピット離れの優劣で展開が変わる可能性も
下関競艇場は、ピットから2マークまでの距離が173m。全場でも唐津(178m)に次いで2番目の長さ。
2マークまでの距離が長い分、ピット離れの優劣を見極めやすいとも言えます。その為、事前にそのデータを把握しておけば、進入隊形の乱れを予想に組み込むことが可能。
コース取得率を見る限り、枠なり進入が崩れる割合は3号艇から外で高く、5号艇に至っては25%近い数字となっています。
スタート展示では枠なりでも、本番のピット離れによって進入隊形が入れ替わる可能性も少なくありません。
特に見ておきたいのは3号艇(枠なりなら3コース)のピット離れ。
多くのレースで「スローとダッシュの切れ目」となるので、本番で遅れると1マークの展開がガラッと変わります。スタート展示で不安を感じた場合、無理に勝負するのは控えましょう。
穏やかな水面なら機力重視
潮の流れによる影響はそれほどなく、風が弱ければ穏やかな水面になると考えて問題ありません。
風や潮の影響が少なくメンバー間の大きな実力差もない場合、予想の材料として重視できる項目は「機力(モーター性能)」です。
下関のオリジナル展示タイムは「一周」「まわり足」「直線」の3項目で公開されています。
全て参考にしたデータですが、絶対に見過ごせないのは「まわり足・直線」の2つ。
ターンに大きく影響するまわり足と、旋回後の伸びを左右する直線タイム。選手の級別や勝率だけでなく、モーター評価の比較も忘れずに行ってください。
当地(下関)で良い成績を残せているか?
下関は瀬戸内海で唯一のナイター水面ということもあり、相応の経験値も必要。「照明などの関係でナイター開催だと成績を残せない」といった選手も意外と多いので、当地実績の確認は怠らないように。
オフィシャルサイトでは、当地(下関)の成績を過去3節に渡って閲覧することができます。
1着数だけでなく、大きな着を取るレースの少なさも舟券候補選びの材料には欠かせません。
ただし、その実績を残したのは一般戦なのか?それともグレードレースなのか?大会のレベルによって見方も変わってくるので、対戦メンバーを考慮しながら”水面との相性”をチェックしましょう。
下関競艇場 出目の傾向
下関競艇場の出目ランキングを紹介します。他場にはない特徴も表れているので、買い目を絞る際の参考になるはず。
イン逃げは信頼。3着は大外まで
3連単は順当に1コースの1着から。
相手は5位(1-4-2)まで内枠優勢ですが、それ以降は「1-2-56」など外枠勢も顔を出しています。2コースの壁に3,4コースが動きを封じられ、外の5,6コースが3着に食い込む展開も十分に想定できるデータといえます。
これらの情報をもとに推奨したい買い目は…
若干多点買いにも感じるでしょうが、5,6コースが連帯するとまずまずの配当が期待できます。
中穴党なら「1-456-456」が狙い目
上位の中で配当が少し高めの組番も、1コースを軸とした組み合わせが中心。中穴で狙ってみたいのが外コースの3艇を絡めた「1-456-456」です。
2コース差しが入る「2-1」より出現率は高く、6コースが絡めば平均配当も跳ね上がります。特に外コースの入着率が上がる秋~冬には、相手をダッシュ勢に絞った買い方も一考の余地はありそう。
万舟狙いでインコース着外はあり?
出目の占有率は決して高くありませんが、インが舟券圏外に飛ぶと平均配当は跳ね上がります。
それもそのはず。イン勝率は6割を軽く超え、あまり波乱が起きないことで知られる競艇場。そんな場所で穴狙いするのは効率的と言えるのか?
結論から言うと、穴狙いには適しません。
ただし、いくらインが強いとはいえ、どんなレースでも何が起こるか分からないのがボートレース。また、強風や大雨が降っている悪天候時には、下関とは思えない1日になることもあります。
本命党である私の口からは言えませんが、リスクを最小限に留めて”お遊び半分の投資”であれば試す価値はあるかと。
イン逃げが信頼されている競艇場だからこそ、1コースが舟券から飛ぶとヤバい配当になることも稀にあります。
下関競艇場の企画レース
下関で実施されている「企画レース」は3つ。
すべて中盤以降のレースが対象で、出場するのは実力のあるA級選手が多め。そうなると予想を悩ませるのが、1号艇とそれ以外の枠にA級選手が並んだ時の扱いです。
正直、企画レースらしからぬ難解なレースもあり、簡単に当てられる”銀行レース”は少ないかも。
レース番号やメンバー構成などが定期的に変更されています。実施の有無についても必ず当日の出走表を確認してください。
1号艇にA級が座る「シーモ戦」
公式キャラクター名をもじった「シーモ戦」。原則、1号艇にA級となりますが、他の枠にA級選手が1~2名入ってくる場合もあります。
1号艇以外の全員がB級であれば黙って軸に指名。それ以外のレースでも基本は1号艇のイン戦から、2着もA級選手で決まる割合が高い傾向です。
ただ、開催後半に関しては、節間成績が振るわないA級選手の評価を下げること。級別の先入観は捨ててもらい、直近の実績を重視した予想をしてください。
構成は日替わり「ふく~る特賞・ふく~る戦」
予選日は「ふく~る特賞」、それ以外は「ふく~る戦」として行われる企画レース。
メンバー構成は決まっておらず、これまでの感じだと規則性はなし。A級が数名出場したり、B級が1号艇に座ったりと、そもそも企画レースにする意味あるのか謎。
また、中にはSG常連のトップレーサーが登場することも多々あるので、決して簡単なレースではないと思います。ごく稀に実施される「A1級のみ1号艇」の時だけ狙い目です。
イン信頼も4カドには注意「進入固定戦」
2マーク側のスペースが広い下関競艇場において、進入固定戦が1コースに与えるメリットは絶大と考えましょう。ゆとりを持って助走ができるので、イン逃げの成功率はさらにアップします。
予想を難解にするのは、格上のA級選手が4カドに構えた時。1着率が上昇する夏~秋については、裏目を抑える買い方も有効です。
下関競艇場を得意とする選手
下関と相性の良いボートレーサーを3名紹介します。
白井英治(山口)
名前 | 白井英治(しらいえいじ) |
登録番号 | 3897(80期) |
生年月日 | 1976年10月15日 |
身長/体重 | 173cm/55kg |
血液型 | O型 |
出身地 | 山口県 |
所属支部 | 山口支部 |
下関では、開設記念(競帝王決定戦)と中国地区選の両方を勝っている「白井英治」選手。
1着数、優出回数、優勝回数のすべてが徳山とほぼ似通った数字になっており、どちらを走っても揺るぎない強さであることはデータが証明しています。
下関の勝率は8点台中盤と高水準。2019年には節間13連勝のパーフェクトVも飾っています。
どのコースからでも難なく乗りこなす山口のエースは、最大級の信頼で予想の軸に置ける存在と見て問題ありません。
寺田祥(山口)
名前 | 寺田祥(てらだしょう) |
登録番号 | 3942(81期) |
生年月日 | 1978年9月20日 |
身長/体重 | 166cm/56kg |
血液型 | O型 |
出身地 | 山口県 |
所属支部 | 山口支部 |
山口支部といえば「寺田祥」選手も忘れてはいけない1人。
下関では記念G1だけでなく、地元開催となった2020年のSGメモリアルでも、オール2連対の完璧な成績で優勝を達成しています。
当地勝率は8点台前半。イン戦でスタートが多少遅れても、ソツのないターンで押し切る実力者。開催のグレードおよび場に関わらず、番組表にいたら迷わず軸にしておくことをおすすめします。
谷村一哉(山口)
名前 | 谷村一哉(たにむらかずや) |
登録番号 | 3961(82期) |
生年月日 | 1978年12月15日 |
身長/体重 | 169cm/58kg |
血液型 | A型 |
出身地 | 山口県 |
所属支部 | 山口支部 |
派手な実績こそ少ないものの、ホームでの安定感が目立つ「谷村一哉」選手。出走回数の多さは地元選手の中でも抜けており、一般開催での大崩れはほとんどありません。
地元勝率は7点台。5~6コースからでも上位着に絡む活躍を見せています。
あくまで個人的な見解ですが、強風や波高が荒れている水面での谷村選手は信頼度高め!豊富な経験があるからこそ、悪天候時の走りはマジで安定してます。
まとめ
「インが強い競艇場」としては有名なことですが、夏に大きく数字が落ちる点だけは注意が必要。季節によって変わる傾向も頭に入れておき、より精度の高い舟券に仕上げてください。
とはいえ、今回紹介した知識やコツを活用すれば、下関競艇の攻略をさほど難しくありません。
勝てるレース選定をしっかりと行い、イン逃げか8点以内に抑えた舟券でバシバシ当てちゃいましょう!
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