難水面が多い関東地区の中でも、特に厄介な「江戸川競艇」。初心者には攻略が難しく、競艇の常識は全く通用しません。
読みづらい風向きだけでなく、海に近い河川ならではの潮の動き。そして、静水面になる日はほぼ皆無であり、複雑なコンディションで選手とファンを悩ませる水面です。
極めて個性的な水面ゆえにコアなファンも多い競艇場ですが、何も知らずに挑んだたらカモられて終わり。そうならないためにも…
- 江戸川競艇の特徴
- プラス収支で終える予想のコツ
- 知って得する出目の傾向
- 江戸川を得意とする選手
等々、江戸川競艇場で勝つためのヒントを紹介していきます。
「リバースボート」の無料予想はとにかく当たります。
実際に試せば分かりますが、レースの選び方・買い目の絞り方はまさに本物。これほど高精度の無料予想は滅多にありません。
もちろん、信用できるまではエアー検証でOK。数レースで質の高さに気づくはずです。
江戸川競艇場の基本データ・水面の特徴
所在地 | 東京都江戸川区東小松川3-1-1 |
電話番号 | 03-3656-0641 |
水質 | 汽水 |
開催時間 | デイレース |
チルト角度 | -0.5/0/+0.5/+1.0/+1.5/+2.0 |
モーター交換時期 | 4月頃 |
うねり | あり |
水位変化 | あり |
江戸川競艇場は、荒川と並行して流れている”中川放水路”の一部を使用し、東京湾へと流れる河口付近に競艇場があります。その為、風・うねり・水位変化の影響を受けやすいと言われています。
海からの距離は約5kmと近く、満潮時、干潮時には潮の流れも速くなります。
また、河川自体が南北に抜ける風の通り道となっているので、天候によっては風速10mを超える中でレースが行われることも。
悪天候の中で開催されるとこんな状況にw
旋回時はもちろん、直線でさえ安心して走れません。5号艇のボートが宙を舞ったように、少しでも気を抜くとその先には転覆が待っています。
(一般船舶の通行を妨げないよう)簡易的な消波装置しか置かれていないため、様々な影響をモロに受けてしまう江戸川の水面。この環境が特有の「荒れる水面」を作り上げ、予想を難しくしています。
「風と潮」で変わる水面コンディション
江戸川競艇の水面は、南から北に向かってスタートしていくレイアウト。
北風が「向かい風」、南風が「追い風」となります。潮の流れに関しては、潮が引いていく下げ潮が「向かい潮」、満ちていく上げ潮が「追い潮」です。
そんな中、無風・潮止まりという状況はきわめて希少。よって季節や時間帯によって変わる「風向きと潮の流れ」を組み合わせて、水面コンディションを読む必要があります。
風については、冬~春の時期が向かい風、春~夏は追い風が多い傾向。潮の流れは後でご紹介する「潮目表」で確認してください。
「抜き」が多く最後まで分からない水面
荒れ水面が特徴的な水面では”旋回時のミス”が起きやすく、道中の逆転も多く見られます。その証となるのが決まり手にある「抜き」の数字。
3コースで25%を超えているのは異常値であり、他場でここまで大きな数字になることはありません。
競艇といえば、1周1マークの攻防で勝敗が決することの多い競技。しかし、江戸川ではその常識が通用せず、最終周回であっても1着が入れ替わるケースは頻繁に起こるのです。
ちなみに、この数字は1着になった発生率なので、2,3着が変わる「抜き」はかなり多く発生していることが想像できます。
江戸川はほぼ進入固定の枠なり
江戸川競艇場ではほとんどのレースが「枠なり3対3」の進入隊形となります。
画像のように2マークとの距離が短い横ピットであることや、待機行動中の内規が厳しいことなどが理由です。
前付けによるコース争いができない江戸川の水面。大外から走る新人選手やチルトを跳ねたアウトレーサーが出走する場合を除き、進入は枠番通りと考えて問題ありません。
江戸川競艇場のコース別入着率
最高レベルの難水面は「イン逃げ成功率」にどう影響しているのか?そして、どのコースに有利に働いているのか?
気になる季節別・コース別入着率は以下の通り。
通年での1コース勝率は44.3%。
インの弱さは戸田とほぼ変わらぬ最下位レベルで、季節風の影響が少ない秋の数字が特に下がっている点も目につきます。
イン逃げを最も阻んでいるのは2コースですが、3コースと4コースも大きく離されてはいません。特に、3コースは2着率でも2コースに肉薄しており、外からの攻めも届きやすい水面といって良いでしょう。
3着については6コースまで可能性あり。ターンミスや失速がいつ起きても不思議ではないので、3着は手広く流しておくのが鉄則です。
江戸川競艇場の予想攻略のコツ
江戸川競艇場で勝ち組になるには「出目買い」しかないと諦めるのは時期尚早。予想的中の可能性を上げられる方法はいくつかあります。
主なポイントは、こまめな情報収集と買うべきレースの取捨。実践していない方はぜひお試しください!
欠かせない予想材料の「当地勝率」
難水面を乗りこなす走りができなければ、江戸川で勝つことはできません。そのうえで、予想する際の最優先項目は「江戸川での当地勝率」です。
レースに使われているボートは江戸川だけの特別仕様。プロペラも江戸川の難水面に合わせた調整が不可欠です。
他場で磨いてきた経験がほとんど生かせない場所でもあり、より高い経験値を持つ選手のアドバンテージは非常に大きいものとなります。
よって重視すべきは、全国勝率やモーター勝率ではなく、江戸川を乗り慣れているかどうか。せっかく機力があるのにレバーを緩めて恐々乗っている選手も少なくありません。
江戸川の水面に慣れている選手は当地勝率も高い。そうシンプルに考えてOKです。
現地観戦またはライブ映像は必須
水面状況をリアルタイムで入手することは、江戸川攻略のカギとなります。
前述の通り風に加えて潮の干満も影響するため、時間帯によってコンディションが激変することも少なくありません。
以下は、当日に行われた水面の気象情報。
レース | 江戸川競艇 風速/波高 |
丸亀競艇 風速/波高 |
1 | 8m/30㎝ | 3m/3㎝ |
2 | 8m/35㎝ | 3m/3㎝ |
3 | 8m/35㎝ | 3m/3㎝ |
4 | 7m/30㎝ | 2m/2㎝ |
5 | 7m/25㎝ | 3m/3㎝ |
6 | 8m/25㎝ | 4m/4㎝ |
7 | 10m/25㎝ | 3m/3㎝ |
8 | 7m/20㎝ | 2m/2㎝ |
9 | 10m/25㎝ | 1m/1㎝ |
10 | 8m/20㎝ | 2m/2㎝ |
11 | 8m/20㎝ | 1m/1㎝ |
12 | 7m/15㎝ | 1m/1㎝ |
水面がいかに荒れているのか?2場の比較をすると理解しやすいはず。
ちなみに、江戸川でこのような風や波の状態は日常茶飯事。特に風速は、1日の中でも大きく変わるのが日常です。そのようなコンディションを正しく把握するには…
現地観戦が最も良く、ライブ映像がその次。
水面の波立ち具合や空中戦の旗のなびき方などを肉眼で確認し、リアルタイムの水面状況を把握するメリットはかなり大きいでしょう
競艇場へ行くのがベストですが、物理的に難しい方はレース映像で確認してください。オフィシャルサイトのライブ中継や、公式YouTubeの生配信「ういちの江戸川ナイスぅ~っ!」などがおすすめ。
ういちの江戸川ナイスぅ~っ!の詳細
江戸川を愛し、江戸川の水面を誰よりもよく知るYouTuber「ういち」。
予想を交えながら全12レースの映像を見ることができます。風や潮の流れなど最新のコンディションも確認できるので、ういちさんなど出演者の予想も参考にしながら舟券を買うのも良いでしょう。
予想が有利になる「潮見表」の確認も忘れずに
江戸川競艇場に吹いてくる風向き、強さはランダム。ですが、潮の流れについては一定のサイクルがあり、あらかじめ時間の目安を知っておくことができます。
公式ホームページのTOPにある「潮見表」でチェックしましょう。
「潮見表」の詳細は以下の通り。色のついている時間帯が上げ潮(追い潮)、ついていない時間帯が下げ潮(向かい潮)。左端に時刻が記載されています。
色の変わる箇所が潮目の変わり時。この前後は水面上の流れが緩やかになります。
上げ潮、下げ潮の時間帯が頭に入っていれば、風の状態を見るだけで水面状況の推測が立つので予想に有利です。
「風と潮」がぶつかり合ったら見送りが賢明
水面状況の確認や先の予測については、風向と潮の組み合わせでおおよその判断ができます。水面が特に荒れやすい条件となるのは、風と潮がぶつかり合う組み合わせとなった時。
それぞれの組み合わせで見られる水面の特徴は以下の通りです。
組み合わせ | 水面 | 特徴 |
向かい風 下げ潮 |
小 | 基本はスローの内枠優勢だが、風が強くなれば外からのまくりも決まりやすい。 |
向かい風 上げ潮 |
大 | 1マークのターンが難しく、接触でゴチャつく展開も多い。技術の差がはっきりと出る。 |
追い風 下げ潮 |
大 | スタートが合わせにくい条件。ターンが膨れる艇も多くなり、波の巧拙がカギに。 |
追い風 上げ潮 |
小 | インが最も逃げやすい水面。強風なら2、3コースが空いた懐を狙える展開も。 |
「向かい風・上げ潮」あるいは「追い風・下げ潮」では波高が大きくなり、荒れた水面でレースが行われることになります。
荒れた水面をバウンドさせながら走るのはよく見る光景です。しかし、手堅く勝ちにいく本命党の方は、予想が困難となる組み合わせの日、または「安定板使用」や「周回短縮」のレースは見がおすすめ。
記念G1「江戸川大賞」はイン勝率アップ
安易に手を出してはいけない江戸川競艇にも、イン逃げ信頼度がアップする開催があります。1年に1回行われる開設記念G1「江戸川大賞」です。
A1級レーサーが集まる開催では、イン戦の成功率が一気に上昇し、1コース1着率は約50%まで上がります。よって、通常よりイン逃げを少し信頼した予想が必要かもしれません。
参考までに、2021年(江戸川大賞)の結果一覧の載せておきます。
初日の結果
1R:451(319.0倍)
2R:132(29.9倍)
3R:124(13.4倍)
4R:426(183.1倍)
5R:136(99.5倍)
6R:123(19.4倍)
7R:326(135.0倍)
8R:123(12.3倍)
9R:124(13.2倍)
10R:162(19.9倍)
11R:163(51.3倍)
12R:135(11.5倍)
イン勝率:75.0%
最終日の結果
1R:126(48.5倍)
2R:561(612.4倍)
3R:431(62.4倍)
4R:452(63.4倍)
5R:214(55.0倍)
6R:214(31.8倍)
7R:413(158.9倍)
8R:135(13.2倍)
9R:451(60.9倍)
10R:416(29.8倍)
11R:165(81.8倍)
12R:123(13.5倍)
イン勝率:33.3%
初日だけ見れば、全国トップクラスのイン勝率となっています。一方、荒れにくいとされる最終日は、1日通して4回しか逃げていない悲惨な結果に。ただ、こうなったのは明確な理由があって…
初日は穏やかな水面、最終日は江戸川らしい大荒れの水面だったから。
いくらA1級レーサーであっても逃げるのは難しく、実力を発揮できないまま終わったのでしょう。その結果、最終日とは思えない波乱の1日となったのです。
このことから、風・波高が荒れているレースは逃げない予想も必要。選手だけで予想したら痛い目に遭う確率が高くなります。
それと、江戸川ではG2モーターボート大賞も開催されていますが、A2やB1のレーサーも多数含まれています。その為、イン勝率は一般戦並みに落ちるので、重賞レースと思わない方が無難です。
江戸川競艇場 出目の傾向
江戸川の難しさは「出目の傾向」にどう表れているのか?
2、3着争いの出目をはじめ、イン逃げが決まらなかった時に来やすいパターンは気になるところ。そうしたデータは舟券攻略のカギとなるはず。
基本はスジ通りも3着は大外まで
イン逃げが決まった時は、スロー勢を中心に内枠上位の組み合わせが優勢。
基本は戸田の出目傾向と同じですが、「1-2-3」より「1-3-2」、「1-3-4」より「1-4-2」といったように、枠順通りの序列が崩れている部分も。波乱の起きやすい難水面ならではの特徴といえます。
3連単トップ10には5や6の数字も出現し、「1-23-234」までの買い目では取りこぼすリスク大。むしろ配当が上がりやすい5、6の3着を期待した買い方がおすすめです。
もう1点、4カドまくりで3コースが沈んだ時の「1-4-2」を加えておいても良いでしょう。
2、3コースが来ても相手は内枠から
イン戦を封じて2、3コースが1着となった場合、2連単の出目上位は順当に内枠から。
2コースの差しが入っても1コースが2着に残し、3コースからのまくりに4コースが乗っていけない傾向を表しています。
これもスピードターンができる選手が限られる、江戸川ならではの特徴といえるでしょう。
よって、江戸川実績に大きな差がない場合、展開をあれこれ考えてもラチが開きません。素直に内枠から相手を選んでいく買い方が的中につながりやすくなります。
4カドの一撃が決まってもインは残る
江戸川で4コースが1着となった時の決まり手は「まくり」と「まくり差し」が7割を占めています。
そうなると外の艇を連れて「4-5」の目を期待したくなりますが、データの上では1コースが2着に残るパターンが上回っている状況。
5コースの選手が難水面を握って回れるかどうか?せっかく流れが向いても4コースの攻めに乗れなければ、コース利の大きい1コースが残して決着するパターンが濃厚です。
4カドが決まると想定した時の3連単は「4-15-全」の買い方が基本。しかし、5コースの選手に不安を感じたら「4-1-全」と絞っても良いでしょう。
江戸川競艇に企画レースはない
江戸川競艇場に企画レースは用意されていません。
企画レースは1コースにA級レーサーが置かれるなど、ファンにとって予想しやすいメンバーが組まれるものとなります。
そうした中、江戸川の水面を苦手とするA級レーサーの割合が高く、必ずしも的中の確率が上がるレースとならない点も関係しているのでしょう。
かつては内規が撤廃されて自由なコース取りが解禁された時期もありましたが、2002年にスタート展示が復活したことを機に、再び3対3の枠なり進入が固定化しています。
もともと舟券が当てにくい江戸川。当てやすい企画レースぐらいあってもいいのに…。
まぁ、江戸川はファンに媚びることなく、難しい舟券推理を求め続ける硬派な競艇場である、という風に受け取るしかありませんねw
江戸川競艇場を得意とする選手
選手の技量が成績を大きく左右する江戸川競艇場。
そうなると、江戸川を得意とするレーサーを知っておくことが、精度の高い予想をする上では必須となります。これから紹介する東京支部の3選手は、当地実績が突出して高い「江戸川巧者」の面々。
石渡鉄兵(東京)
名前 | 石渡鉄兵(いしわたてっぺい) |
登録番号 | 3716(74期) |
生年月日 | 1974年12月6日 |
身長/体重 | 160cm/55kg |
血液型 | O型 |
出身地/支部 | 千葉県/東京支部 |
公式ページ | 選手ページはこちら |
江戸川の水面を知り尽くしている男「石渡鉄兵」。
ケタ違いの強さから「江戸川鉄兵」という異名でも有名な選手。2020年には”江戸川競艇場だけで300勝”という大記録を打ち立てた当地最強レーサーです。
江戸川勝率は常に8点前後という驚異的な数字。優勝回数も20回を超えており、逃げ、差し、まくりの全てにおいてレベルの違う立ち回りを見せています。モーターの機力に関わらず、どのコースからでも素直に信頼して問題ありません。
濱野谷憲吾(東京)
名前 | 濱野谷憲吾(はまのやけんご) |
登録番号 | 3590(70期) |
生年月日 | 1973年11月8日 |
身長/体重 | 169cm/56kg |
血液型 | A型 |
出身地/支部 | 東京都/東京支部 |
公式ページ | 選手ページはこちら |
江戸川の優勝回数で石渡鉄兵の次に多いのが、SGレーサー「濱野谷憲吾」。
3回のG1優勝実績もさることながら、お盆開催で出走した時に見せるダントツ級の強さも印象的です。
勝率は7点台後半とこちらも高いレベルを維持。どんなコンディションでも、どんなメンバー相手でも舟券圏内を外すことがめったにない堅実さも強みとなっています。
1コースから走る時には安心して軸に据えましょう。
福来剛(東京)
名前 | 福来剛(ふくらいつよし) |
登録番号 | 4095(87期) |
生年月日 | 1981年6月13日 |
身長/体重 | 166cm/53kg |
血液型 | A型 |
出身地/支部 | 東京都/東京支部 |
公式ページ | 選手ページはこちら |
SGクラシック優出経験もある「福来剛」。
江戸川の水面では勝負強さが目立っており、年に1回開催される「江戸川番長決定戦」では2回(3代目、5代目)の優勝を達成しています。
石渡、濱野谷両選手に負けず劣らずの巧さを発揮しており、得意とするのは3コースからのまくり攻め。枠を問わず外からでも、しっかり舟券に貢献してくれる自在性の高さも魅力の選手です。
まとめ
江戸川競艇場の予想に役立つポイントを紹介しました。
江戸川は手堅く勝つことからは最も遠い存在であることが、今回の記事を通してお分かりいただけたかと思います。
万舟券など高配当狙うならともかく、いろんな常識やセオリーが通用しない難水面。的中率重視で勝ちを望む場合、適さない競艇場というべきかもしれません。
ある地元ファンから「ここ(江戸川)は勝負する場所じゃなくて、競艇の醍醐味をじっくり味わう場所だ」と聞いたことがあります。確かに、収支よりも楽しむことにシフトして舟券を買うのが適しています。
どちらにしても、江戸川競艇場での無理は禁物。
この水面を得意とする選手を中心に、くれぐれも確信が持てるレース以外は買わないことをおすすめします。
お気軽にコメントをどうぞ!