競艇は6艇で選手が出走し、1周600mのコースを3周まわって着順を競い合う競技。ご存じの通り、内側ほど上の着を狙いやすく、その中でもインコース(1号艇)の勝率は群を抜いて高いです。
そして、3周目の2マークをまわってゴールとなりますが、レース結果には1着の艇だけ「決まり手」が表示されます。
今回はその決まり手について深掘りしていこうと思います。
ちなみに、決まり手を理解するとレース展開を予測に繋がり、競艇がもっと楽しくなるはず。そこまで難しい知識ではないので、この機会に決まり手の種類や特徴を覚えておきましょう!
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競艇の決まり手とは?
決まり手とは、最終周回で1着になった艇の”勝ち方”を表す用語。
競艇は基本的に1周1マークで決着する競技。決まり手さえ分かれば「どのような展開で1着になったのか?」を瞬時に判断することができます。
例えば以下のレース。
1マークで1号艇は先マイするも、2号艇の差されてイン逃げ失敗。2着以降のレース展開は分かりませんが、おそらく道中で1,3号艇が競い合い、上記の結果になったと予想されます。
このように、レース映像を見なくても決まり手のみで連想が可能です。
決まり手は全6種
競艇の決まり手は上記6種類。
それぞれの決まり手については追って解説しますが、競艇を続けていくつもりなら6つの用語ぐらいは覚えておきましょう。
ツケマイって決まり手じゃないの?
内側の艇にピッタリつけて全速ターンする「ツケマイ」という戦法。決まり手にあっても不思議ではありませんが、現在は「まくりの一種」となっています。
ただし、2008年に決まり手が統一されるまでは、レース結果に表示されていました。
僕的にはツケマイを残して欲しかったのですが…。
まぁ、まくりなのか?ツケマイなのか?どちらか微妙なケースは多々あったので、そういった煩わしい判別を避けるためにも、全てまくりに統一したのかもしれませんね。
6種類ある決まり手の特徴
さて、ここからは「決まり手の特徴」について。次項で関連動画を紹介するので、まずは大体の特徴を把握しておきましょう。
逃げ(イン逃げ)
- インコース(1コース)のみ
- 他艇に一切邪魔されない
- 引き波に乗らず走行できる
逃げとは、インコースの選手が1マークを先にターンし、そのまま逃げきること。イン逃げと呼ばれることもあり、基本的に1号艇の選手が勝利した時の決まり手となります。
競艇は内側ほど有利な競技。特に1コースの艇は、他艇が起こした引き波の影響を受けずに旋回できるので、どの競艇場においても「逃げ」で1着になる勝率は5~7割程度。
仮に実力下位の選手が1号艇だったとしても、スタートで凹んだり荒れた展開にならない限り、逃げのみ高い確率で決まります。その特徴を知っておけば、イン逃げ万舟など高配当を狙うことも可能です。
差し
- 主に2,4,6コース
- 高等テクニックが求められる
- 引き波を超える機力が必要
差しとは、逃げやまくりでターンする艇の内側を走行して1着になる戦法。主に偶数艇(2,4,6コース)が1着時に見かけることの多い決まり手です。
差して先頭に立つには巧みなハンドル捌きはもちろん、引き波に乗っても突破できる機力が必要。よって、モーター勝率の高さ、出足重視のセッティングをしている選手ほど差しが決まりやすくなります。
余談ですが、チルトを跳ねて伸び重視にしている選手には向かない決まり手です。
まくり
- 対象は2~6コース
- スタートが重要となる
- 全速ターンで旋回する能力が必要
まくりとは、インコース以外の艇が外側から全速ターンで先頭に立つ戦法。
まくりが決まりやすい展開は、頭ひとつ出たスリット隊形の時。外側から追い抜くことが可能となり、全速ターンで置き去りにすることができます。
それと、全速ターンを専門としている「アウト屋」が得意な戦法でもあります。スタートが揃ってもそこから一気に加速していき、全艇をまくっていくシーンはよく見る光景です。
まくり差し
- 対象は3~6コース
- テクニック・判断力が必要
まくり差しとは、内側にいる艇をまくり、そこから差して先頭に立つ戦法。主に3,5コース進入時に決まりやすいものの、展開次第では4,6コースでも使える戦法です。
まくるだけならハンドルを抑えるだけで済みますが、まくり差しは一瞬の隙を見つける判断力も必要。また、そこまでスピードを緩めずに群の中へ進入するので、他艇と接触せず旋回する技量も求められます。
そのことから、経験の浅い若手より、実績のある実力者向きの技かもしれません。
抜き
- 1周1マーク以外で1着
- 荒れた水面ほど発生率が高い
抜きとは、1周2マーク以降で先頭の艇を追い抜いて1着になること。
1マークでほぼ決着する競艇において、2マーク以降に1着を逆転するのは難しいです。なぜなら、先頭を走る艇のみ誰にも邪魔をされないうえ、引き波を気にせず普段通りの走行ができるから。
例外を挙げるとすれば、先頭でも転覆リスクの高い荒れた水面。常に水面状況が変化するため、あまり艇間が開いていなければ着順が変わることはよくあります。
恵まれ
- フライングなど事故レース
- 1着または的中しても素直に喜べない
恵まれとは、フライングや転覆などの事故によって1着になること。
他の決まり手と違い「他力本願」での勝利であり、選手にとってあまり嬉しい結果とは言えません。また、死亡事故に繋がる転覆も稀にあるので、的中したファンにとっても後味の悪いレースとなります。
決まり手を理解できるレース動画
競艇を始めたばかりだと、文字のみで理解するのは辛いでしょう。そこで、それぞれの決まり手を一瞬で理解できる「レース動画」を紹介しておくので、納得するまで視聴してください。
「イン逃げ」のレース動画
競艇最高峰のレース「グランプリ(賞金王決定戦)」優勝戦。
このクラスに出場する選手にとって、1コースから逃げるのは朝飯前。しかし、1着になれば1億が貰える戦いにおいて、どの選手もフライング覚悟で勝利を目指しています。ちなみに、このレースのスリット隊形は…
6艇全員がコンマ0台のスタート。100m以上先から助走して、こんなタイミングで揃ってしまうこと自体ヤバすぎることw
SG優勝でフライングした場合、どんな罰が待っているかご存じですか?
- 1年間のSG選出除外(斡旋があっても除外)
- F休み明けて6ヵ月のG1競走出場不可
上記の罰を賞金に換算すると、トップレーサーなら数千万円に上ります。当然、その罰にビビってスタートで踏み込めない選手は沢山いますが、このレースに出場した全員が笑ってしまうほどの好スタート。
熱く語っちゃいましたが、そんな状況でイン逃げを決めた峰竜太。他の選手も最高のスタートでしたが、さすがに成す術なし。
これ以上のない素晴らしい「逃げ」だと思います。
「差し」のレース動画
差しを決めたのは、ホワイトシャークの異名を持つ「白井英治」。まさにお手本のような差しを視聴できます。
1コースには、11度のSG制覇をしている瓜生正義。スタートもしっかりと決め、誰もがイン逃げしたと確信。ところが、ほんの少しだけ膨らんだ隙を見逃さず、ターンマークすれすれを通過する神ターンが炸裂!
ここまで綺麗な差しが決まることは滅多にありません。しかも、相手はSG常連の瓜生選手ですから。
加えて言うと、2コースの差しはスタートが良すぎても詰まってしまうし、遅すぎてもダメ。インの選手と同じかちょっと遅れるぐらいが決まりやすい印象です。
「まくり」のレース動画
「桐生順平」が決めた豪快なまくり動画。
最も不利と言われている6コースからの進入。さらに、トップスタートでもなく、普通に考えたら5コースの選手が壁になって何もできないはず。しかし、それらの状況を打破したのが抜群のモーター性能!
スリット通過後にグングンと加速していき、内側の艇を置き去りにして大外を全速ターン。バックストレッチで桑原選手と並んだように見えましたが、機力の差でそのまま独走状態。
この動画を見れば「まくりにモーターは欠かせない」と感じることができます。
もちろん実力あってこそですが、桐生選手のような選手が上位モーターに乗るとどうなるのか?舟券予想をする際は、そうした点も考慮すべきです。
「まくり差し」のレース動画
「まくり差しの全て」が詰まっている!そう言っても過言ではない動画。
披露してくれたのは、艇界を代表するトップレーサーの「毒島誠」。格下相手の一般戦だけでなく、G1・SGといった舞台でも”まくり差し”を決めまくっています。
それにしても、このレースのまくり差しだけでご飯3倍食えるほど(笑)
まず2号艇をツケマイで沈ませ、1号艇による引き波の影響を最小限に留め、後は空いたスペースを差して先頭に立つ。こんなんされたら1号艇が完璧なターンをしない限り、太刀打ちできない気がします。
ご覧の通り、トップスタートを決めたのはインの福来選手。それでも勝てない訳ですから、毒島選手のまくり差しがいかに凄いのか?ご理解いただけたはず。
「抜き」のレース動画
動画タイトルにある通り、免許取消しになってもおかしくない抜きのレース。
反則級の抜きを披露したのは「桐生順平」。上記のまくり動画でも紹介したように、この選手の全速ターンは異次元レベル!先頭を走っていようが、標的にした相手は意地でも負けたくないようですw
1号艇がイン逃げを成功させ、2周目までは2着狙いで終わるのかと思っていました。しかし、ここで諦めないのが桐生順平。
そこまで好調なモーターではないにも関わらず、2周目以降は全速で1号艇に襲い掛かります。そして、少しずつ艇間を詰めていき、3周目でついにツケマイが決まります。
まさか最終周回で抜いてしまうなんて…。1-6の舟券を持っていた人は悲惨すぎw
こんな「抜き」を見れるのは滅多にありません。
「恵まれ」のレース動画
他艇の失態によって「恵まれ」となった児島競艇のG1。
棚ぼたで1着となったの艇界のスーパースター「峰竜太」。枠なりで6コース進入となり、スリットも決して優勢とは言えない隊形。さすがの峰でも連対するのがやっとか?そう思った瞬間…
まさかの3艇(1,3,4号艇)がフライング。しかも、3号艇に限っては”非常識なフライング”という始末。
1周2マークまでは4着目に付けていましたが、上位3艇が一気にいなくなって峰選手は「恵まれ」による1着でゴール。
この恵まれが功を奏し、優勝戦では2号艇から2着に入っています。
決まり手を考慮した展開予想
決まり手によってレース結果は大きく変わるので、頻繁に起こる展開ぐらいは覚えておくべき!実践ですぐ使える予想術を少しだけ紹介しておきます。
スリットが揃ったイン逃げは内側で決まりやすい
何度もお伝えしているように、ボートレースは1コースが最も勝ちやすく、艇番が増えていくに連れて勝率は下がっていくもの。
この特性から、スリット隊形がほぼ横並びでイン逃げが成功した場合、後続する艇は内側で決まりやすくなります。ただし、その常識が通用するのは実力が拮抗したレースのみ。
A級・B級が混在するレースは実力通りの結果になることが多いです。
これらの特徴を理解しておけば、簡単なレース選定がしやすくなると思います。初心者の方は”とりあえず当てる”ことを意識して挑みましょう。
1号艇は直まくりされるとほぼ消える
「直まくり(じかまくり)」とは、2コースの艇が1コースの艇を1マークでまくる戦法。直まくりが決まると引き波によって1号艇は失速し、2号艇は優位にレースを進めることができます。
それでは、直まくりが発生するのはどんなシーンなのか?
- 1号艇がスタートで凹んだ時
- 2号艇がスタートを決めた時
- 差しよりまくりが好きな選手
基本的に「1,2号艇のスタートタイミング」がカギとなります。どちらにしても、2号艇が優位に立ったシーンで多く見られ、直まくりをしたレースは荒れることが多いです。
その理由は、直まくりをされた1号艇は、3着に入ることが難しいから。
2号艇が通過した後にできる”引き波”で失速してしまい、後続艇に次々と抜かれていきます。その為、展開はグチャグチャとなるケースが多く、2着目以降を予想するのは困難です。
もし、決まり手を直まくりと予想するなら、カラフルな色で決着すると思っておきましょう。トリガミのリスクは低いと思うので、いつもより点数多めがおすすめです。
まくられた内側は沈み、外側は付いてくる
4コースのまくりを例に挙げると、引き波の影響をもろに受ける2,3号艇は沈み、1号艇は残せて2着。一方、影響を受けない5,6号艇はバタついた艇を避けるだけなので、上位着に残りやすいです。
仮に4号艇がまくって1着となった場合、4-5もしくは4-6の出目が来やすく、内側の艇は頑張って3着まで。
もちろん、展開次第でその通りにならないケースもありますが、4カドのまくり予想をするなら「4-156-156」は抑えておきたいところ。
注意してほしいのは「6コースのまくり」。
6コースがまくりで1着になる時は、他艇に影響の少ない大外をターンするケースが多いです。したがって、内側の艇も舟券に残した方がいいかも。
まくり差し決着は1号艇が残りやすい
3~6コースから「まくり差し」で1着になる際、まくりとは違って引き波の影響を受けません。その為、1コースのみ通常運転が可能となり、先頭には立てなくても残せる可能性が高くなります。
1着になる艇番別に買い目予想するなら…
- 3コース:3-124-124
- 4コース:4-125-125
- 5コース:5-146-146
- 6コース:6-123-123
適当に書いただけなので参考にしないでください。
ただ、まくり差しを得意としている選手が3~6コースにいる場合は、必ず1コースを舟券に含めるようにしましょう。
まとめ
競艇の決まり手は、予想するうえでも、レース観戦するうえでも理解しておくべき知識。
インコースが有利な競技とはいえ、一般戦などでは逃げ以外を予想するレースが沢山あります。そういった時に決まり手の特徴をしっておけば、展開や買い目を予測しやすくなるはずです。
最後に、合わせて読むと勝率アップに繋がる記事を紹介しておきます。これまでの経験を詰め込んであるので、時間のある方はぜひご覧ください!